大きな屋根の白い家*blog*

終わりなき「家づくり」の話題を中心に、この家での暮らしや趣味などを綴ります。

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告白(湊かなえ)

告白告白
(2008/08/05)
湊 かなえ

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今年の本屋大賞受賞作。
夢中になって一気読み。たぶん3~4時間くらいで読んだ。電車乗り過ごしそうになった。
恐怖と共感と反感に、きりもみのように揺さぶられながら、ページを繰る手が止まりませんでした。

章ごとに入れ替わる語り手。彼らによって語られる物語は、どれもぜんぜん違った形に見えるけれど、結局それはすべて同じ事件、同じ時間。物事というのは、通過する人間が違うと、こんなにも見え方は変わるのか、ということが、この本の恐ろしいところです。殺人もいじめもトラウマも怖いけれど、私がなにより怖かったのは、この見え方の違いでした。

後味はぜんぜん良くないし、救いだってないけれど、それでもなにかこう、澱のようないやな感じではないのはなぜだろう。衝撃の1章からめぐりめぐって、ラストで元の発火点に戻ってきたような、そして…こう、でもこれでよかったんじゃないかしら、なんて思ってしまう…、この共感らしきもの?はなんだろう。

rillaの少ない読書体験から、比較対象を出すのはどうかと思うのですが、なぜか思い出したのがこの本だった…、宮部みゆきの「名もなき毒」。
私はどうしてもこの本、ダメだった。語り手である主人公が、なんかこう、なに考えてるんだか分からなくて、ずーーっとイライラし通しでした。
でもね、リアルライフを生きている私って、たぶん、迷いまくりブレまくりで、この生き様を小説にしたら、ぜったい馬鹿みたいに見えると思うの。つまり私が「名もなき毒」に感じたイラつきは、同属嫌悪、もしくは、すかっとしない現実のもやもや感を描いていることへの、やるせない怒りだったと思うのです。
翻ってこの「告白」に、変な共感のようなすっきり感を覚えたのは、逆に登場人物がみんな「やりすぎ感」漂ってるからではないか、と。考えにブレがなく、すっきりクリア。「極端でリアル感がない」の一歩手前の絶妙なバランスが、誰もがもつ黒い部分をあぶりだし、この奇妙な共感を生むモトなのじゃないかしら、なんて考えてしまいました。

んー、文句なしにいい読書体験でした。座右の書にしたい、とかそういうのではないけれど、いい本を読んだ!という満足感です。あー幸せ。
これこそが、読書の愉しみ、ですね。

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