大きな屋根の白い家*blog*

終わりなき「家づくり」の話題を中心に、この家での暮らしや趣味などを綴ります。

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哲学個人授業-殺し文句から入る哲学入門

哲学個人授業-<殺し文句>から入る哲学入門 (木星叢書)哲学個人授業-<殺し文句>から入る哲学入門 (木星叢書)
(2008/01/26)
鷲田清一永江朗

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オススメです。
哲学とかまったく興味がなかったのですが、この本はいい。
図書館で借りて、すごく気に入ったので、買っちゃいました。
「いい本に出会えた喜び」という、この何事にも代えがたい、ごく個人的な喜びを、じっくり噛み締めております(笑)。

速読はできないけれど、遅読でもないrillaですが、読むのはかなり時間がかかりました。
いかんせん読書の時間を十分に取れないので、夕食の支度をしながら細切れに読んでいたこともあり、また理解にそこそこの時間がかかる内容であるということもあり。
難解ではないですが、扱っているテーマが哲学だけに、噛みごたえのある読書。
でも、こういうのが本当の読書だ!と、心が震えるような喜びを味わいました。

本当に好きな、面白い本に出会ったときって、読んでる途中に時々、ページをぱたん!と閉じて一点を見つめて深呼吸、してしまいませんか?胸騒ぎがするような、不穏で甘美な気持ち。この本は私のものだ!と、手の中の本と、鼓動が呼応するような気分。
こないだ電車の中で、前に座っていた中年のサラリーマンが、まったくこの同じしぐさをしたんですよね。思わず立って行って握手をしたいような衝動にかられました(笑)。この人、いい本に出会ったんだろうなぁと思った。何を読んでいるのか、知りたかったのですが、カバーをかけていたので見えませんでした。

この本を借りるときに、何気なく開いたページの対話がよかったんですよ。
何年か前にあった「なぜ人を殺してはいけないのか」の議論について、著者である鷲田清一さんとゲストの内田樹さんとの会話。
鷲田さんは、TV番組で「なぜ人を殺してはいけないのか?」という疑問を発した高校生と、それにまともに答えられなかった大人の図が、マスメディアを賑わせたなったあの現象を、非常にカチンときた、と評した。「だってそんな質問はあれへんでしょう」「言うなら、なぜあなたを…(殺してはいけないのですか)と言うべき」と。そして、目の前でそんな質問をされたら、殴るか逃げるかどっちかだ、と。
その不快感を内田樹さんが見事に整理してくれるのです。たとえば、喉元にナイフをつきつけられ「どうして人を殺してはいけないのですか?」とそのナイフ男に聞かれた時、「そうそう、なんで悪いんですか?」と、一緒になって言えるわけがない。世の中には、平穏無事な今の立場なら言えるけれど、立場が変わったら言えなくなることがある。それを、さも一般的真理のように平然と語るのは、ナンセンスであり、傲慢であり、バカである。「それを問うた少年は、一般的な命題を抱えているわけではない」のだと。

これは、エマニュエル・レヴィナスの章の中にあった対話で、まぁこの章で扱った哲学者の言葉は、非常に難解で、本の中でも「難解ですね」「まったくわからない」「悶絶ですね」と、お墨付きの難解さなのですが(笑)、それでも随所に、こういった今までの自分がもやっと抱えていた疑問を、すっきりと解きほぐしてくれる珠玉の対話が多く収められています。哲学者の「見得をきる」ような伝説の言葉も素敵ですが、それを解説する著者2人の対談の中には、よりわかりやすく現実に即したいい言葉がたくさんあって、それがこの本の魅力となっています。

「活字が好きで、そこから意味を汲み取り、構築する作業が好き」な人にはおすすめしたい。見てくれてる日文B(日本文学専攻B)の女子たちには、より強力プッシュです(笑)。
精読の訓練にもなるようで、続いて今、「夜は短し歩けよ乙女」(森見登美彦)を読んでいますが、駄本ではないのに、もうやたらライトに感じて、目がすべって困る(笑)。

なんだか上手に紹介できないのが悔しいですが。
「僕らはいつもちぐはぐで、喋りすぎるか喋りたりないかです」




世界一お金のかからない娯楽、それが哲学

意味もよくわからないのになぜかグッとくる。哲学者の書くとぎすまされた言葉には、歌舞伎役者の切る「見得」と似た魅力がある。かたや大阪大学総長、かたやフリーライター、肩書きにちがいはあれど、ともに哲学にとことんイカれている二人が、キェルケゴール、サルトル、メルロ=ポンティからヘーゲル、マルクス、ニーチェまで、古今東西の哲学者23人の「グッとくるワンフレーズ」を題材に、哲学の魅力、おもしろさ、アブなさを語りつくす。ときにはんなりとやわらかく、ときに熱く繰り広げられる、極上哲学漫談。

【グッとくるフレーズの数々】
話をするのが不可能なことについては、人は沈黙せねばならない──ウィトゲンシュタイン
知覚はかつて一度も存在しなかったのである──デリダ
人間とは精神である。精神とは自己である──キェルケゴール
人間存在は必然的に、「それがあるところのものであるのではなく、
それがあらぬところのものでありうる」のでなければならない──サルトル
それゆえわれわれの研究は商品の分析から始まる──マルクス
複製技術のすすんだ時代のなかでほろびてゆくものは、作品のもつアウラである──ベンヤミン
運動における私の決意と私の身体との関係は、魔術的な関係なのである──メルロ=ポンティ

Comment

あい says... ""
素晴らしい本との出会いがあったんだね。
「コクのある本」とでもいうべきなのか、古典の名作などを読んだときは、
心に響く感動があるね。
4月からノー残業で余裕ができる私も、読書を楽しみたいと思います。
2009.02.24 20:26 | URL | #u2lyCPR2 [edit]
rilla says... "この世の中にはどれだけの本が"
>あいちゃん
そうなのですよー。
大学のときの上田先生が、ネット書店もいいけれど、図書館や本屋の棚の間を歩きなさい、と言ってたの、おぼえてる?いろいろな本との出会いがあって、そこから世界がどんどん広がるから、と。
まったくの異分野に手を出す「きっかけとなる本」があるけれど、私にとってこれがその1冊でした。その本で挙げられた本や事柄をたどっていくと、世の中には読むべき膨大な本がまだまだあって、まだまだ知らないことが宇宙の果てまであって…、うれしいような怖いような。
あれって、上田せんせじゃなかったかしら(汗)?
上田先生、あの村上春樹のエルサレムスピーチを聞いて、ゼミ生にどう語ったのかが気になる今日このごろです。

4月からノー残業かぁ、ということは、今すごく忙しいのかな。無理しないようにねー☆
2009.02.26 15:36 | URL | #- [edit]
あい says... ""
上田先生!!めちゃくちゃ懐かしい・・・。
そう、図書館や本屋という「空間」はネット書店では味わえないね。もちろん、ネットのおかげで欲しい本を素早く手に入れることができたりはするのだけれども。縦横無尽に世界が広がっていく感じは、本屋さんや図書館ならでは。

私が上田先生の言葉で印象的だったのは「遊びに使うお金があれば、そのお金で本を買いなさい」という一言。他の生活費は削ってもいまだに本は欲しいだけ買ってる気がします。笑。

仕事の量は増えるのに、人は減るという厳しい状況だけど、楽しみつつがんばりますv-237

村上春樹のエルサレムスピーチを聞いて、とにかく「あぁ、すごい」と思いました。なんか、うまく言えないけど、ちょっと若返ったような衝撃を受けました。
2009.02.27 21:06 | URL | #u2lyCPR2 [edit]
小豆 says... ""
こんにちは。久しぶりに遊びに来ましたよ。

哲学ですか。
昔、哲学系ファンタジー「ソフィーのなんとか」(書名忘れちゃいました)とかいう本、挫折したた苦い記憶が・・・。
rillaさんの読んで興味がムクムク。これならいけるかしら。
最近は右から左へ流す読書ばかりなので、久々にこういうの良いかもです。
もうちょっと余裕ができたら手を出してみようかな。
2009.03.05 11:22 | URL | #EvmDRqhQ [edit]
rilla says... ">あいちゃん >小豆さん"
>あいちゃん
ネット書店にはいつもお世話になってるけど(近くにまともな本屋さんがないのを週1くらいで嘆いておりますww)、本棚の間を歩くのは快感!
上田先生、そんなこともおっしゃってたのねー、忘れてたわぁ(笑)
なかなか本に散財できないこのごろですが、でも、本が絶版になる間隔もどんどん早くなっている気がするので、「地味だけど手元におきたい本」は即買いかなぁ、と思っているところです。

>小豆さん
「ソフィーの世界」ですね!そういえば、それ読んでない!あのごっつい本ですよね。逆に私、今ならそれ読めるかも(笑)。
この本は、ぜんぜんファンタジーじゃない、オジサン哲学者さんたちのリアルな会話が面白いかもしれません。もともとは「meetsリージョナル」で連載されていたものらしいです。meetsかっこいい(・∀・)。
機会があればぜひー♪
2009.03.09 14:50 | URL | #- [edit]

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